アレルギーとは
- 人の身体には体内に侵入した異物を排除しようとする機能が備わっています。これによって感染症などを防ぐことが出来ているのですが、何らかの要因によって過剰な反応が起こってしまうことがあります。これがアレルギーです。
- このように、特定の食物や花粉、ダニ、ほこり、カビ、ハウスダスト、ペットの毛、金属、人の汗、化粧品など多岐にわたる物質に対して過剰な免疫反応が起こり、皮膚や気管支、鼻腔などに異常な反応が出現するものを総称し、アレルギー疾患と呼んでいます。
下記の症状の方はアレルギー科の受診を
- 鼻の奥がムズムズする
- 透明でさらさらした鼻水が流れ出てきた
- くしゃみが止まらないことがある
- 鼻づまりで息が苦しい
- 喉がかゆい、イガイガする
- 喉が痛い
- 繰り返し咳が出る、呼吸が困難になる
- 食事をしていても、味がよく分からなくなった
- 気持ち悪くて嘔吐する
- 肌がピリピリする、痒くなる
- 渇いた咳がよく出る
- 目がかゆい、目に異物感がある
- 頭がぼーっとする
- 耳の中がかゆい、ムズムズする
- 血圧が急低下した、呼吸が乱れる
- 全身の倦怠感がある
- アナフィラキシーショックを引き起こした
- など
花粉症について
- 花粉症も気管支喘息などと同じように、アレルギー反応がきっかけとなって引き起こされる病気です。
- スギやヒノキなどの花粉が体内に侵入することで、立て続けにくしゃみが出たり、鼻水や鼻づまり、目の痒みや充血、涙が止まらないといった症状を引き起こします。
- 花粉症は日本人の5人に1人が罹患しているとも言われており、スギ花粉が飛散する春先などには、花粉症の症状で悩んでおられる方が沢山いらっしゃいます。
花粉症の治療
- 花粉症の治療では、まず問診や血液検査によって、アレルギー反応を引き起こしている花粉の種類をつきとめます。
スギやヒノキ以外にも、イネやブタクサなど、意外に多くの種類の花粉が原因となり、それぞれ発症する季節が異なります。
原因が分かれば、その花粉が飛散し始めるおおむね2週間前頃から内服薬を飲み始めることになります。
さらに、できるだけ日常生活に支障が出ないように、点眼薬や点鼻薬を併用することも効果的です。
アレルギーのお薬にも非常に多くの種類があり、その効果や代表的な副作用である眠気も、患者様の体質によって様々です。
ですので、特に初めて花粉症の治療を始める際にはいくつかのお薬を試していただき、お身体に合うお薬に出会えるよう親身になってご協力いたします。 - また、当院では減感作療法といって、お薬で症状を抑えながら、原因物質を少量ずつ投与していくことで、体質そのものを変化させる治療も行えます。
最終的にはお薬自体が不要になることを目指す治療法ですので、どうしてもアレルギーのお薬が体質に合わなかったといった患者様は、ぜひ一緒に挑戦してみませんか?
じんましん
- わずかに盛り上がった赤い斑点が皮膚に生じる疾患です。強い痒みが主な症状ですが、チクチクした痛みや、焼けつくような痛みが出ることもあります。痒くて患部を掻いてしまう方もいますが、そうすると患部がどんどん拡大していきます。
- 蕁麻疹の斑点は、突然出現し、数分~24時間以内に突然消失していきます。しかし、一度消えた斑点が、またすぐに出現することもあります。短期間に出現・消失を繰り返す症例もあり、「じんましんがずっと治らないので受診した」とおっしゃる方もいます。
- 突発性のじんましんのうち、発症から4週間以内に治るものを急性じんましん、それ以上の期間にわたって断続的に発症するものを慢性じんましんと呼びます。
- 治療にあたっては、じんましんを引き起こしている原因を突き止め、それぞれに合った薬物療法などを行います。
アトピー性皮膚炎
- 痒みのある湿疹が特徴的な皮膚疾患であり、症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返します。遺伝的な体質に環境要因が影響して発症すると考えられています。患者さんの多くは、皮膚が乾燥しやすい素因とアトピー素因(アレルギーを引き起こしやすい体質)を併せ持っています。
- さらに、環境的な要因も作用すると考えられています。食物やダニ、ほこり、カビ、花粉、ペットの毛やフケなどが原因となることもありますし、汗や衣類による摩擦、乾燥、引っかき傷、化粧品、石鹸などの刺激、精神的ストレスなどが複合的に作用して悪化するケースも少なくありません。
- 治療にあたっては、まず症状が悪化している因子を取り除くことが大切です。さらに、保湿剤などを用い、日常的にスキンケアを行っていきます。
- その上で、ステロイドや免疫抑制剤などの外用薬を用いる薬物療法を実施します。ステロイドの塗り薬に関しては、抵抗感をお持ちの保護者の方も少なくないようです。しかし、小児期のアトピー性皮膚炎の治療に精通した専門医のもとで適切な量を処方することにより、副作用を軽減し、十分な効果を得ることが期待できます。
金属アレルギーのパッチテスト
アレルギー性接触皮膚炎の診断に最も有用な検査です。具体的には、原因物質を付着させたパッチテスターを、上背部や上腕外側の正常部位に貼付した上で、概ね48時間後に再診します。そして、皮膚の反応状況の変化をもとにアレルゲンの特定や症状の強さなどを判定していくのです。
アレルギー検査の39項目
- アレルギーを引き起こす原因としてよく見られる39種類の主要なアレルゲンをピックアップし、具体的な原因物質を幅広く特定するための検査です。問診や臨床所見からアレルゲンの推定が難しい方であっても、少量の採血を一度行うだけで測定できますので、お気軽に行うことが出来ます。
- 但し、この検査のみで全てのアレルギーを特定できるわけではありません。確定診断には、様々な要素を加味して、アレルギー科の専門医が判断する必要があるのです。
「Viewアレルギー39検査」の検査項目
食物系アレルゲン
- 卵(卵白、オボムコイド)
- 牛乳
- 小麦
- 豆・穀物・種実類(ピーナッツ、大豆、そば、ゴマ、米)
- 甲殻類(エビ、カニ)
- 果物(キウイ、リンゴ、バナナ)
- 魚・肉類(マグロ、サケ、サバ、牛肉、豚肉、鶏肉)
吸入系アレルゲン
- 室内塵(ヤケニョウダニ、ハウスダスト1)
- 動物(ネコ皮屑、イヌ皮屑)
- 昆虫(ガ、ゴキブリ)
- 樹木(スギ、ヒノキ、ハンノキ属、シラカンバ属)
- 草木類(カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、オオアワガエリ)
- 空中真菌(アルテルナリア、アスペルギルス)
- 真菌(カンジダ、マラセチア属)
その他
- ラテックス